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映画レビュー:ラストサムライ

ラスト サムライ (字幕版)

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明治維新後の日本、押し寄せる近代化の波の中、勝元はサムライの時代の終わりを察知していた。しかし勝元は戦わずして去るつもりはなかった。日本初の近代的軍隊を訓練する教官としてオールグレンを雇った時、二人の戦士の運命がひとつに重なる。

 

合理化していく世の中で、淘汰されていくサムライの視点から描かれたハリウッドの大作。

 

 

 

 れん的ぽいんつ♡ 

 

ハリウッドが描く日本は、必ずどこかがオカシイものですが(笑)、不自然なところはほとんどなく、サムライに敬意をもってSO COOL! に描かれてます。冒頭の、霧の中に浮かぶ馬上の鎧兜がスローモーションで走ってくるシーンなんて、ワナワナするほど勇猛で美麗!これじゃ海外の人がサムライ連呼するのもしゃーないな(笑)。

 

うずまき 忍者が村を襲うシーンは、真田広之に「忍者はそんな事しない」とダメ出しされたそうだけど、「ニンジャぜったい出したいの、お願いお願い絶対お願い」的に押されたシーンだそう。どんだけ好きやねん(笑)

 

うずまき 西洋からやってきた鉄砲の威力を前に、刀で戦うサムライは絶滅してしまいますが、作中では、ラストサムライ勝元のその時、官軍が一斉に頭を垂れ敬意を表すシーンがあります。官軍の制服を着ていても、心根は日本人(サムライ)なのだという感動的なシーンです。

 

うずまき トム演じるオルグレンには、モデルとなった人物がいて、フランスのジュール・ブリュネさんという美味しそうな名前の人。国策で来日していたとはいえ、幕府に加勢してしまうというのは、武士道に感銘をうけたからなんだろうね。

 

 

 日本の役者さんたち 

 

まずもって渋カッコイイとこ揃っております(笑)。小雪さんや子役さんたちの演技も光っております。ハリウッドの常連になりつつある渡辺謙さんの表情はやっぱスゴイ。タッパもあって映えてます。

 

あと、トム監視役のボブ(トムに勝手に命名された切られ役で有名な福本清三さん)はオイシイ。寡黙な彼が最後に叫んだのは、襲われかけたトムの盾になろうと「オルグレンさん!」でした。かっこよすぎやろ!

 

 

 サムライって人殺し 

 

学生時代からそう思っていたから歴史の授業が大嫌いで成績もよくなかったなー。25点とか(笑)。

2003年に映画館に足を運んだときも目当てはトム様で、「武士道とかよくわかんな~い」っていうアホな観客でした。

 

でも去年くらいから、幕末藩士として生きた過去世(の感情)を思い出してしまい、尊皇攘夷思想というものを改めて勉強しました。サムライたちは人殺しじゃなかった。日本を守りたかったんだよね。この思想の発端となった水戸藩水戸城のすぐ近くで生まれた意味を、今は多少なりとも把握できるようになりました。

 

 

 明治維新後の日本 

 

日本は近代化・合理化に走り出し、GDP世界第二位まで上りつめました。生活水準は上がり便利な機械に囲まれています。なのに、幸福度は世界の50位にも食い込めません。幸福度を「心」という切り口で眺めるなら、やはり「心が満たされてない人」が多いと言わざるを得ない。

 

 ・喜怒哀楽という感情のうち、怒しか使ってない。

 ・生きるために働いているのに、過労死してしまう。

 

明治維新前に比べると、日本は精神面で明らかに貧しくなった印象を受けます。維新で得をしたのは誰なんでしょう?西洋からやってきた「何」が私たちをそんなに夢中にさせたのでしょう。

 

 慎ましく、でも、丁寧に生きてた昔のひとたち。

 笑いあい、泣き合って生きてた昔のひとたち。

サムライが命がけで守ってきたのはそんな人の真心だったのかもしれません。

 

そう思って鑑賞すると、馬が次々に倒れていくシーンは、真心がどんどん消えていくように見えて、無念の想いが湧き上がってきます(これは私の過去世の想い)。何より大事で大切に守っていくべきだと明白なのに、時代がそれを潰してしまうという無念の想い。盟友と戦わねばならぬ葛藤。

もうホント、当時の政治はめちゃくちゃです。信念なんて無い。欲に目がくらんだ策略の悪しき歴史です。

 

 

 明治維新から150年 

 

真心を奪われ唯物主義に仕立てる政治は、恐ろしい事に今も続いてるんだよね。知らず知らずにメディアの洗脳を受けてる。でも!!

 

なんでも便利であること、なんでも早くできること、そんな方向性が間違っていたんじゃ?

生活水準をもっと上げたい、隣人よりもっと保有したい、そんな価値観が間違っていたんじゃ?

 

って気付く人が増えてきました。一度は潰された真心は、復活の兆しをみせています。科学技術が真心を置き去りにして発展しすぎるとどうなるか(原発の事故とかね)、身をもって学んだからこそ、大事なものが見えるという審美眼を培うことができました。

 

個人個人がどんな官軍の制服を身につけていようとも、心の中で大切な事に気付き、鉄砲を放棄します。幕末にサムライと呼ばれた霊的戦士たちは、私たちの心の中で復活します。今度は、血を流さない意識革命です。