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映画レビュー:奇跡のリンゴ

本が映画化されたと聞いて観てみた作品。本阿部サダヲさんの素朴な青森弁がいい感じで感動的な作品になっています。

 

 

奇跡のリンゴ

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監督    中村義洋
主演    阿部サダヲ, 菅野美穂, 池内博之

木村秋則は無農薬によるリンゴ栽培を決意するが、それは「神の領域」といわれるほど「絶対不可能」な栽培方法。失敗を重ね、周囲の反対にあい、妻や3人の娘たちも十分な食事にありつけない極貧の生活を強いられる日々。それでも諦めなかった秋則は、11年にわたる想像を絶する苦闘と絶望の果てに常識を覆すある「真実」を発見する。

 

 

 

 孤独になっても戦う男、そして家族 

 

守るべき家族を守れない、でも無農薬をやりたいという葛藤の描写が長い。健気な子供たちを見てられないくらいツライです。誰もやってない事をやりとおすっていうのはこんなに辛くて孤独なことなのですね。「じゃあもう農薬使うよ」って思えればみんなが楽になれるのに、どうしてもそう思えない。魂の願いは、肉体的生存なんて度外視してくるし、本当にしぶとくてやっかいだよね(笑)

 

 

 役者さんたち 

 

みんないい役者さんでちょっとビックリしたほど(失礼だ)。山崎努さんはいぶし銀が光る演技、主演のお二人もナチュラルで、子役のみんなも可愛かった!気になったのは友人の農家役の池内博之さん、若いのにマジ涙の迫真の演技。いい役者さんですね~。ワタシの妹と同じ高校出身だっていうので親近感わいちゃいました。

うずまき 婚礼の席で山崎努さんの隣に座ってる小さなお爺ちゃんは、木村秋則さんご本人です(笑)

 

 

無農薬のリンゴが11年ぶりに花を付けた日。夢にまで見た一面の白い花。感動しすぎたー!

 

 リンゴ無農薬栽培⇒絶対不可能な神の領域 

って事にまず驚いたワタシ。無農薬で栽培することが「神の領域」と言われるほど難しいなんて チーン

スーパーに並ぶつやつやとしたリンゴは、いろんな農薬を使って栽培されたものだったんだね~。農薬使用では世界一を誇る(誇れないから!)日本の農産物。

 

どうしてそんなに農薬付けにしないと売れないのか??作品では、農家の生産効率という面から述べられていますが、消費者である私たちにも大きな要因はありそうです。

 

少しでも大きなのを選んでた

虫食いのある野菜なんてキモチワルイと敬遠してた

絵に描いたように形の良い野菜を選び、曲がった野菜をバカにしてた

少しでも安価な野菜を選んでた

 

ありのままの野菜じゃなく、理想の野菜を買うから、農家さんは農薬や肥料をたっぷり使うようになったという悪循環もありそうです。ならば、私たち消費者が変わらなきゃ!

そんな事を気付かせてくれた作品でした。

 

 

 無農薬野菜は小さい 

 

肥培してない本来の野菜は、スーパーに並んだ野菜よりはこぶりな傾向があります。自分で栽培すると分かりますが、収穫量もそんなに多くない。形も揃ってない。一昔前のおばあちゃんの野菜を食べて育った人は分かるかも知れませんが、それでも、びっくりするほどオイシイですよね。

 

それと、腐りにくい。枯れ葉が腐らず枯れるように、木村さんのリンゴも腐らずに「枯れる」と言います。冷蔵庫の野菜室のキュウリが、ぶよぶよと白く腐ってきたらそれは肥培されたキュウリです。無肥料無農薬のキュウリはしなびていきます。

 

ワタシも無肥料無農薬をやりたくなってチャレンジしていたことがあります。肥料は土の力。ミミズのフンです。ミミズは枯れ葉を堆肥化してくれるアースワーム(地球の虫)です。ミミズ以外の微生物も作物の生長に大いに尽力してくれます。化学肥料に頼らずとも、地球はちゃんと肥料を用意してくれているんですよね。

 

 

 忘れちゃならない 

 

監督が伝えたかったのは、「神の領域に挑み、結果を出した一農家」の実例

なんだけど、この「奇跡のリンゴ」の忘れちゃならない魅力はスピリチュアルな側面です。

 

 

奇跡のリンゴ

―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 (幻冬舎文庫)

 

著者の木村さんは、著作「奇跡のリンゴ」で、宇宙人や龍と何度も接触したことを明記しています。高熱に苦しむ木村さんを救ってくれたり、ある時は、宇宙船に乗せられて、人類のカレンダーを見せられ「時間がない」と意識させられます。が、それを口外してはならぬと口止めされます。

 

・いかにも実直な木村さんが宇宙人と接近遭遇!?

・人類には残された時間がない!?

・宇宙人の目的ってなに!?

 

 

などなど疑問が湧きまくりますが、著作においてもそこは明らかにされていません。ただ木村さんの体験がセキララに述べられているだけです。何年もスピオタをやってると、体験の真偽が大体わかるようになりますが、木村さんのは嘘じゃないです。選民意識や依存なども感じられず、何より、世間的に「頭オカシイ」と思われる経験を書き記すことに何のメリットもないからです。

 

でも、木村さんの使命<農薬から地球を救うこと>といったら大げさに聞こえるかも知れないけど、大きな組織の思惑が絡んだ第一次産業は、手の届かない問題であるようでいて、私たちの足下に拡がった地面が舞台という、一般人にも向き合える問題なんですよね。木村さんの人生は、地球の作物を作って生きていくワタシたち全員のお手本になると思ってます。

 

バッシングは利権が絡むので当然あるでしょうけど、心が「大切だと感じたこと」を大事にしたい。それを感じられた自分を信じます。

 

 

 スピリチュアルって 

 

この作品を実写化するにあたって、スピってばっさりカットされてしまうジャンルなんだなぁと寂しく思います。スピリチュアルってオカルトじゃなく、こうして一農家さんですら体験するほど(←職業関係ないw)、身近にあるものなのに、こうして隠されてしまう。

 

八百万の神を大切にしてきた日本人なら理解できる感性であり、日本人だからこそ請け負って生まれてきた役割もあるんだけど、精神世界は海外に遅れをとっている感がぬぐえないな。役割を思い出されてはマズイ人でもいるのかなーメディアの上のほうに。