ショパン「別れの曲」を味わおう!
クラシックってなんか引っかからないんだよね~って人も絶対知ってる切ないメロディ。ショパンの「別れの曲」です。この曲から私が感じるのは、甘い甘い恋。イントロが流れるとふにゃ~んとなっちゃう(笑)。
天国に違いないと確信したふたりの時間
永遠と思えた静かに安らいだ瞬間
なのに、中盤の急転直下。雷鳴とどろく嵐のような旋律はなんぞ?
2:18~の転がり落ちていくような旋律は、繊細なショパンが「敢えて」失望を表現したかのように思えます。失望パートなくたって立派に完結してる曲だもの。地に叩き付けられ雨に打たれ、もうどうなってもいいと、次第に消えていく音符は、麻痺していく感情を表しているようにも思えます。
そして、3:06からまた甘い旋律に戻っていく。クレッシェンドで次第に強くなるピアノを私なりに解釈するなら、どんなに恐ろしい失望を味わおうとも、愛してる事に気付いたよ!あぁ素晴らしいな(号泣)という感じかな。
相手が自分を愛してくれなくても、または、去ってしまっても、コチラの愛は変わらないと気付いたショパン。相手がどうあろうと愛は変わらないという天上界と同じ意識レベルに達したショパンは、天と繋がりインスピレーションをもらっていたんじゃないかなと想像します。
映画のようなストーリー展開。4分半で表現しきったショパンはやはり天才詩人と思わずにいられません。
◆ 天上と繋がることは素晴らしい?
なら地球に生まれず、ずっと上にいたらいい。天上は差別や貧困という分離のない一体の世界。なのにどうしてわざわざ生まれてくるのか?
安穏とした世界では味わえなかった、分離という形態だからこそ味わえる様々な感情を体験したいから、という説があります。
地の失望を携え天と繋がったショパンは、素晴らしい作品を生み落としました。陰と陽の融合です。ふたつの相反する要素が融合したとき、何が起きるのかをショパンは見せてくれたような気がします。
◆ 歌詞を付けて歌う人もいっぱい!
とある映画で、歌詞を付けて歌っている人がいることを発見!調べてみると、かなり古くから歌われてきたみたい。知らなかった~!
ティノ・ロッシ "Tristesse"
いとしい恋人よ
それでもいつまでも
君を愛しているのを分かって欲しい
狂おしいほどに
狂おしいほどに
やだもー泣いちゃう笑
◆ いろんな「別れの曲」
好きな曲をいろんな解釈で聴けるのは、この時代の特権♡
● José Carrerasさん 三大テノールの威力たるや!
● Ninon Vallin 女性ヴォーカルもステキ
● So Deep Is The Night 古き良きアメリカ映画
● BurnsErnstさん なんとエレキギター!
● Rin Oikawaさん 「別れ」は無視したhappyな詞
● 平原綾香さん クラシックを歌うといえばこの人
● 名もない爺のハーモニカ 枯れ専用
◆ ツライ・苦しいだけで終わらせたら片手落ち
失望があったからこそ、人生そのものを表したような味わい深い作品となったこの曲。己の不遇に自暴自棄になったかもしれない、はたまた、万事上手くやっている周囲に対して己を恥じたかもしれません。でもショパンは果敢に向き合ったのでしょう。大切なのは、勇気を持って味わうこと、そのあと見えて来るもの、なのかもしれません。
若かりし Chopin
<Frédéric François Chopin 1810
誰もが一度はちょぴんと読んでしまったことがあるはず←私w
それにしても39才で没とは早世。名曲を残して大急ぎで還ったんだねぇ