映画レビュ:我が家のおバカで愛しいアニキ
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監督 ジェシー・ペレッツ
主演 ポール・ラッド, エリザベス・バンクス, ズーイー・デシャネル
ネッドは超正直ものの天然男。いい人過ぎて、友人の警官に大麻を譲ってあげたら逮捕されてしまった彼は、彼女にもフラレ、居場所を失う。彼の3人の妹たちは、めんどうな兄を煙たがり、なかなか引き取ろうとしない。
←ひげもじゃヒッピーは、あのアントマンのポール・ラッドさん。
◆ れん的ポインツ
なんといってもネッドの純粋さ。見てるだけで心が洗われます。「単純」とか「おバカ」とか言われまくって凹んでる人、以下のチェック項目が複数当てはまる人(特に若い世代に多いかもしれない)に是非、観てほしい!
☑決して悪意はないのだけど、なんでも正直に言ってしまう
☑自分の心に嘘をつくことができない
☑自分の心に嘘をついている人を見ると自分の事のようにツライ
☑他人の笑顔がエネルギー源だ
☑人を信じるのはデフォルト装備だ
☑植物や動物や子供と接しているほうが心が安らぐ
☑なぜかイジワルされる
あなたの 単純 素朴さは居るだけで周囲を救う。決して、自分を卑下したり、周囲に合わせようと自分を変える必要はないのだと知ってほしい!
◆ ネタバレ
ネッドには3人の姉妹がいます。
夫の不倫を知ってなお、結婚生活を維持しなくては・・・と悩むリズ
スクープをモノにしたいが為に、ネッドの個人的な情報を暴露しようとするミランダ
出来心で浮気したらまさかの妊娠。パートナーに告白できず悩むナタリー
3姉妹は現代人の、「自分の心より体裁を重要視する風潮」や「承認欲求のために悪魔に心を売り渡す風潮」や「性の多様化」などをシンボリックに表しています。そんな現代社会の中で、正直すぎるネッドは、あちこちで嵐を巻き起こします。
リズは離婚、ミランダは仕事がぽしゃり、ナタリーは恋人と大喧嘩。それでも3人姉妹の顔は明るくなりました。表面だけの凪など本当の凪ではないのだと作品は訴えます。
◆ 現実世界では
映画のように一件落着しないかもしれません。表面的に凪いだ社会は、異質なネッドを排除しようとします。根本にあるのは、恥ずかしいものを見られたくない「恐れ」。人間なら誰でも持ってる感情を「恥ずかしいもの&お行儀悪いもの」とすり込まれたせいで自分を認められなくなっているのです。
ネッドの純粋さに気付く人はまだ良い方でしょう。でも「自分も正直に生きよう」と思えず、嫉妬に変化してしまうのも人間。そしてイジメに発展していく。
◆ 世界中のネッドへ
あなたが生まれたこの世界はまだまだ重苦しい世界です。社会を作ったひとりとして面目ない想いでおります。でもどうか、心折れることなく、自分を責めることなく、持って生まれた個性を曲げることなく、「これでいいのだ」という信念で生きていかれる事を祈っております。あなたがあなたで居るかぎり、世界は変わります、必ず!!
◆ スピ的にいうと
ネッドのように居るだけで周囲を癒す特別な存在は、周囲の環境を浄化する濾過装置としての役割をしょっていると言われます。濾過装置なので点在するように存在するため、周囲に同じような仲間がおらず、孤独を味わいます。
でも、役割をまっとうする為のツールもちゃんと持ってきているはずです。鈍感力だったり、いつでも幸せになれる才能だったり、おバカだったり(笑)。あなたが欠点だと思ってる事は、あなたを守り助けるツールかもしれません。自分を信じてあげてくださいネ!